今年もいよいよ吹奏楽コンクール全国大会が始まります。
例年と比べて、何が違うか気になりますよね。

この記事では、今年開かれる吹奏楽コンクール全国大会の情報をこれまでの支部大会の結果と共に紹介していきます。
ぜひこの記事を読んで、今年の吹奏楽コンクール全国大会を予習しておきましょう。

*全国大会の結果は以下の記事にて更新中!

案内人

  • 川島光将指揮者・作曲家・編曲家 元・中学高等学校音楽教員、吹奏楽顧問 吹奏楽指導者協会・認定指導員 音楽表現学会会員 K MUSIC GROUP代表 現在はオーケストラ、吹奏楽、合唱、声楽など音楽全般の指導にあたる。

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2021年吹奏楽コンクール支部大会結果発表

各支部大会が終わり、全ての支部代表校が決まりました。
一体今年はどの学校が選ばれたのでしょうか。

さっそく見ていきましょう!

地域別全国大会出団体

北海道支部

・北斗市立上磯中学校(中学A)

・旭川市立永山南中学校(中学A)

・札幌市立中央中学校(中学B)

・美幌町立北中学校(中学B)

・旭川市立旭川中学校(中学C)

・札幌市立新琴似北中学校(中学C)

・札幌市立屯田中央中学校(中学C)

・札幌日本大学高等学校(高校A)

・東海大学付属札幌高等学校(高校A)

・旭川実業高等学校(高校B)

・旭川大学高等学校(高校C)

・札幌大谷中学校・高等学校(高校C)

・北海道教育大学函館校(大学)

・札幌ブラスバンド(職場一般)

・滝川吹奏楽団(職場一般)

東北支部

・仙台市立向陽台中学校(中学)
・山形市立第六中学校(中学)
・北上市立上野中学校(中学)
・東根市立第一中学校(中学小編成)
・西郷村立西郷第二中学校(中学小編成)
・いわき市立錦中学校(中学小編成)
・大仙市立仙北中学校(中学小編成)
・秋田県立秋田南高等学校(高校)
・福島県立湯本高等学校(高校)
・福島県立磐城高等学校(高校)
・福島県立いわき光洋高等学校(高校小編成)
・福島県立相馬東高等学校(高校小編成)
・宮城県名取北高等学校(高校小編成)
・東北福祉大学(大学)
・八戸ウインドアンサンブル(職場一般)
・名取交響吹奏楽団(職場一般)
・酒田吹奏楽団(職場一般)

東関東支部

・海老名市立海老名中学校(中学A)
・柏市立酒井根中学校(中学A)
・習志野市立第五中学校(中学A)
・真岡市立真岡東中学校(中学B)
・水戸市立第一中学校(中学B)
・流山市立東部中学校(中学B)
・東金市立東金中学校(中学B)
・流山市立北部中学校(中学B)
・松戸市立第三中学校(中学B)
・習志野市立習志野高等学校(高校A)
・柏市立柏高等学校(高校A)
・常総学院高等学校(高校A)
・松戸市立松戸高等学校(高校B)
・相模女子大学高等部(高校B)
・光英VERITAS中学校・高等学校(高校B)
・神奈川大学吹奏楽部(大学)
・横浜ブラスオルケスター(職場一般)
・光ウィンドオーケストラ(職場一般)
・Pastorale Symphonic Band(職場一般)

西関東支部

・飯能市立加治中学校(中学A)
・越谷市立大相模中学校(中学A)
・朝霞市立朝霞第一中学校(中学A)
・志木市立志木第二中学校(中学B)
・吉川市立南中学校(中学B)
・川口市立芝中学校(中学B)
・伊勢崎市立第四中学校(中学B)
・さいたま市立泰平中学校(中学B)
・新潟市立坂井輪中学校(中学B)
・埼玉県立伊奈学園総合高等学校(高校A)
・春日部共栄高等学校(高校A)
・埼玉栄高等学校(高校A)
・埼玉県立滑川総合高等学校(高校B)
・高崎市立高崎経済大学附属高等学校(高校B)
・立教新座高等学校(高校B)
・都留文科大学吹奏楽部(大学)
・川越奏和奏友会吹奏楽団(職場一般)
・川口市・アンサンブルリベルテ吹奏楽団(職場一般)

東京支部

・羽村市立羽村第一中学校吹奏楽部(中学)
・小平市立小平第三中学校吹奏楽部(中学)
・東海大学付属高輪台高等学校吹奏楽部(高校)
・東海大学菅生高等学校吹奏楽部(高校)
・創価大学パイオニア吹奏楽団(大学)
・東海大学吹奏楽研究会(大学)
・創価グロリア吹奏楽団(職場一般)
・東京隆生吹奏楽団(職場一般)

東海支部

・日進市立日進西中学校(中学A)

・浜松市立湖東中学校(中学A)

・松本市立鎌田中学校(中学A)

・愛知工業大学名電高等学校(高校A)

・浜松聖星高等学校(高校A)

・聖カタリナ学園光ヶ丘女子高等学校(高校A)

・9/5実施予定(大学)

・9/5実施予定(職場一般)

北陸支部

・高岡市立芳野中学校(中学A)

・鯖江市中央中学校(中学A)

・射水市立新湊中学校(中学B)

・南砺市立福野中学校(中学B)

・白山市立北星中学校(中学B)

・白山市立美川中学校(中学B)

・富山県立富山商業高等学校(高校A)

・福井県立武生商業・武生商工高等学校(高校A)

・富山県立八尾高等学校(高校B)

・福井県立三国高等学校(高校B)

・富山県立富山工業高等学校(高校B)

・富山大学吹奏楽団(大学)

・ソノーレ・ウィンドアンサンブル(職場一般)

・百萬石ウインドオーケストラ(職場一般)

関西支部

・宝塚市立中山五月台中学校(中学A)

・生駒市立生駒中学校(中学A)

・加古川市立中部中学校(中学A)

・明浄学院高等学校(高校A)

・東海大学付属大阪仰星高等学校(高校A)

・大阪桐蔭高等学校(高校A)

・龍谷大学(大学)

・宝塚市吹奏楽団(職場一般)

・尼崎市吹奏楽団(職場一般)

・創価学会関西吹奏楽団(職場一般)

中国支部

・山口市立小郡中学校(中学)

・防府市立華陽中学校(中学)

・出雲市立第一中学校(中学)

・明誠学院高等学校(高校)

・岡山学芸館高等学校(高校)

・出雲北陵高等学校(高校)

・広島大学吹奏楽団(大学)

・祇園ウィンドアンサンブル(職場一般)

・広島シンフォニック・ファミリア吹奏楽団(職場一般)

四国支部

・松山市立西中学校(中学A)

・徳島市城東中学校(中学A)

・愛媛県立松山中央高等学校(高校A)

・香川県立坂出高等学校(高校A)

・四国大学(大学)

・高松市民吹奏楽団(職場一般)

・藤原大征とゆかいな音楽仲間たち(職場一般)

九州支部

・鹿児島市立武岡中学校(中学)

・福岡市立城南中学校(中学)

・福岡県立門司学園中学校(中学)

・奄美市立朝日中学校(中学)

・精華女子高等学校(高校)

・鹿児島県立松陽高等学校(高校)

・活水中学校・高等学校(高校)

・活水女子大学吹奏楽部(大学)

・福岡工業大学吹奏楽団(大学)

・西区市民吹奏楽団 (職場一般)

・春日市民吹奏楽団(職場一般)

・ブリヂストン吹奏楽団久留米(職場一般)

2021年の支部大会についてレポート

今年の吹奏楽コンクールは、どの学校も複雑な想いを抱いていると思います。
なんとか無事にコンクールに出場できた学校、出場辞退せざるをえなかった学校。

そのさまざまな想いを考えながらレポートを書かせていただきます。

①無観客や音源審査が多かった2021年吹奏楽コンクール

今年の吹奏楽コンクールは今までと大きく異なりました。
コロナウイルスの影響で中止となった2020年の無念を晴らすべく、多くの関係者の努力によって2021年全日本吹奏楽コンクールが開催されました。
出演者はもちろん、その関係者、コンクール主催者など多くの方のお力があってのことです。本当に頭が下がります。

それぞれの支部でどのようにコロナの影響が出たのか調べてみました。
やはりほとんどの支部が無観客でのコンクール開催。中には音源審査でのコンクールを行なった支部もありました。

毎年コンクールを見に行くのを楽しみにしていた人たちにとっては、無観客や音源審査での開催はとても寂しいものだったと思います。
また、演奏する側もコンクール会場の舞台に立ち、観客の前で演奏するのと録音ではやはり気持ちに差が出てしまうのではないでしょうか。

一方で、新たな試みが行われ、ポジティブな結果を生み出すこともできました。
コンクールをライブ配信する支部が増え、今まで会場に行って演奏を聴くことができなかった人も自宅でコンクールを楽しむことができたのです。

今年はまさに手探り状態の中で行われたコンクール。開催できたことは賞以上の価値があるのではないでしょうか。
苦渋の決断で出場しなかった団体にも、その英断に拍手を送りたいです。

②初出場が多い中学校の部・常連校が圧倒した高校の部

全国大会出場校を見ますと、中学校の部と高等学校の部でその印象は大きく異なりますね。

中学校の部を見ると、例年以上に全国大会初出場の学校が見られます。

  • 奄美市立朝日中学校
  • 浜松市立湖東中学校
  • 海老名市立海老名中学校

しかし変わらず全国大会出場記録を更新し続けている中学校もあり、今年も聴きどころ満載です。

高等学校の部では、全国大会初出場は一校もなく、全国大会常連校がその席を譲りませんでした。
ただ、筆者が気になったのは関西支部の結果。長年全国大会に出場し続け連続金賞記録を更新し続けていた関西吹奏楽のレジェンド『淀川工科高校』が関西大会を辞退し1974年以来の全国大会不出場となりました。
理由は明かされていませんが、その衝撃は大きいものでした。

東京支部では大きな変更点があり、今まで代表枠が3つ枠だったのが2014年以来7年ぶりに2枠になりました
これに伴い長年全国大会常連校だった学校も今年は代表を逃すなど、波乱の結果が起きています。

2021年吹奏楽コンクール全国大会はどうなる?

全日本吹奏楽コンクールは9月現在では予定どおり開催される見込です
日程は以下のようになっております。

全国大会の日程

中学校
2021年10月23日(土)
場所:名古屋国際会議場
前半の部 8時20分開場・9時00分開演
後半の部 14時10分開場・14時40分開演

高等学校
2021年10月24日(日)
場所:名古屋国際会議場
前半の部 8時20分開場・9時00分開演
後半の部 14時10分開場・14時40分開演

ライブ配信決定!

 

全日本吹奏楽コンクール全国大会で初のライブ配信が決定しました!
今年は新型コロナウイルス感染防止のため、入場は出演団体関係者のみになりそうです。
しかし、自宅で全国大会を見ることができるのは嬉しいですね。

中学・高校は前半、後半で各2,000円(税込)。
さらにプログラムデータがついてきます(これもかなり嬉しい!)。
詳しくはこちら

販売は2021年10月1日から始まります。
みなさん、ぜひ自宅から応援しましょう。

全国出場校の中でとくに注目したい団体

今回全国大会に出場する学校の中で、筆者が特に注目している学校を紹介します。
本来なら全ての出場校を紹介したいところですが、今回は中学、高校から前半後半2校ずつの紹介とさせていただきます。

中学校【前半】

出雲市立第一中学校

全国大会48回出場の大ベテランの強豪校であり、初出場は1960年という長い歴史のあるレジェンド校です。
今年の自由曲は、もう全国大会の舞台でも多くの学校が演奏している『歌劇《サロメ》(R.シュトラウス」。
数々の名演を残している学校ですので、今年もどんな演奏を聴かせてくれるか楽しみですね。

中山五月台中学校

こちらも全日本吹奏楽コンクール常連校。
なんと今年は21名で全国大会に出場しています。
小編成でも全国大会に出場できるんだと夢を与えてくれますね。
しかも自由曲は『シンフォニックバンドのためのパッサカリア(兼田敏)』!
これは名演の予感…。

中学校【後半】

柏市立酒井根中学校

こちらも安定の全国大会常連校ですね。
16年連続(3出で不出場の年は除く)で東関東支部の代表に選ばれています。
16回の全国大会のうち金賞は13回。今年もその演奏が期待されます。

※三出制度とは
3年間連続全国大会に出場した団体は、その翌年の地区大会、県大会、支部大会などの吹奏楽コンクールに参加することができない制度。

生駒市立生駒中学校

奈良県を代表する中学吹奏楽強豪校。
2000年前後には数々の名演を残してきました。
2019年に久しぶりに全国大会の舞台に戻ってきて、そこからリベンジで今回再び代表を獲得しました。
自由曲は吹奏楽ファンの中でも人気の高い『ドラゴンの年(スパーク)』です。
これはかなりスパークした演奏が期待できますね!

高校【前半】

玉名女子高等学校

九州支部を代表する吹奏楽強豪校。
そのサウンドの美しさはおそらく日本一ではないでしょうか。
今回の自由曲はなんと『マードックからの最後の手紙より(樽屋雅徳)』!
長年、天野正道先生の作品を選んでいただけにこの選曲は意外でした。
今回は2021年版ということで、作曲家自ら玉名女子のために編曲したのではないかと筆者は推測しています。
その意外な組み合わせがどんな効果を生むか楽しみです。

玉名女子高等学校の情報については下記記事でもご紹介していますので、ぜひ併せてご覧ください。

習志野市立習志野高等学校

今年、長年習志野高校吹奏楽部の顧問を務められていた石津谷治法先生が全日本吹奏楽連盟の理事になられたことで、習志野高校の指揮者がどうなるか注目されていました。
やはり予想どおり指揮者は新しい先生になっていますね。
しかも自由曲はその先生がオーケストラ曲を編曲した作品となっています。
新生習志野高校吹奏楽部が全国大会の舞台で披露する機会は見逃せません!

習志野市立習志野高等学校の情報については下記記事でもご紹介していますので、ぜひ併せてご覧ください。

高校【後半】

東海大学付属札幌高等学校

今年も全国大会の舞台に出てきてくれました!
現顧問の井田先生と東海大学付属札幌高等学校は1978年に全国大会に初出場してから現在まで、38回も北海道代表として全国の舞台に上がっています。
代表に選ばれなかったのは1979年の一回のみ。
もはや日本トップレベルの吹奏楽強豪校ですね。
今年の自由曲は人気の高い『シンフォニエッタ第2番《祈りの鐘》 (福島弘和)』!
必見です。

東海大学付属札幌高等学校の情報については下記記事でもご紹介していますので、ぜひ併せてご覧ください。

大阪桐蔭高等学校

まさかの代表を逃す去年の大波乱から、ファンの期待どおり今年は全国の舞台に帰ってきてくれました。
今年はこれまでの大阪桐蔭と一味違うかも。
課題曲も2010年以来のⅤの現代音楽。自由曲も『吹奏楽のための協奏曲 (高昌帥)』という大曲で気合いたっぷり。これは期待大ですね。
演奏技術の高さはもちろん、今までとは違うサウンドが聴けるかもしれません。

大阪桐蔭高等学校の情報については下記記事でもご紹介していますので、ぜひ併せてご覧ください。

まとめ

昨年は吹奏楽コンクール中止、今年は無観客や録音審査など全国大会に向けて本当に色々なことがありました。
それでも運営して下さった各支部の先生方、顧問の先生、出演される生徒の皆さんのおかげでなんとかここまで来られました。

今年はライブ配信もあるので、今まで以上に吹奏楽コンクールを応援しましょう!