オーケストラ・アンサンブル・指揮者をテーマにした感動作を、邦画・洋画それぞれより厳選して紹介!オーケストラに所属している方なら感情移入せずにいられない名作揃い。クラシック音楽に詳しくない人も楽しめる名作ばかりなので、家族での映画鑑賞にもおすすめです。
目次
- 1 落ちこぼれヴァイオリニストと問題児たちがオーケストラに挑む!「オーケストラ・クラス」
- 2 スラム街で生まれたオーケストラの感動実話「ストリート・オーケストラ」
- 3 アカデミー賞キャストが奏でる本物の音楽「25年目の弦楽四重奏」
- 4 実在する女性指揮者の波乱万丈な人生「レディ・マエストロ」
- 5 有村架純主演のオーケストラ青春物語「リトル・マエストラ」
- 6 かつての天才指揮者が人生のリベンジに挑む感動作「オーケストラ!」
- 7 松坂桃李やmiwaなど豪華キャストがオーケストラに挑戦「マエストロ!」
- 8 老人ばかりのアマオケ!笑いあり涙ありの感動作「オケ老人!」
- 9 久石譲初監督!音楽大学を舞台にした青春物語「Quartet(カルテット)」
- 10 まとめ
落ちこぼれヴァイオリニストと問題児たちがオーケストラに挑む!「オーケストラ・クラス」
あらすじ
パリ郊外の小学校に音楽教育プログラム講師としてやってきたのは、人生に挫折した中年のヴァイオリニスト、シモン・ダウド。やんちゃな子供たちは楽器の扱いもひどく、シモンは接し方に悩みます。そんななか、生徒の1人アーノルドに音楽の才能を見いだし、そこからクラスにも変化が現れ始める。
フランスでは子供たちに無料で楽器を贈呈し、プロの演奏家たちが音楽を教える教育プログラムがあります。その教育プログラムに着想を得た心温まるヒューマンドラマです。
気難しく子供と接するのが苦手なシモンでしたが、音楽を通して徐々に子供たちと心を通わせていく。問題児ばかりで、まとまりのなかったクラスが変わっていく過程は観ていて胸が熱くなります。音楽に触れられる喜びと、生きることの楽しさを感じられる作品です。
スラム街で生まれたオーケストラの感動実話「ストリート・オーケストラ」
あらすじ
サンパウロ交響楽団のオーディションに落ち、スラム街にある学校の音楽教師になったラエルチ。ある日、ギャングに襲われた際、得意のヴァイオリンを披露したことで銃口から逃れた。そのエピソードを聞いた子供たちは暴力以外にも人を変える力があることを知り音楽を勉強し始めるが….
ブラジル、サンパウロの南部に位置するスラム街に実在するオーケストラ「エリオポリス交響楽団」の誕生を描いた実話。青少年に無料で音楽教育を行うNGO団体「バカレリ協会」の活動をもとにしたストーリー。日本の裏側で行われているこの活動は、音楽教育を通して子どもたちを貧困や犯罪から救い、職業を得る機会を提供する等、音楽の力を象徴するような作品となっています。
アカデミー賞キャストが奏でる本物の音楽「25年目の弦楽四重奏」
あらすじ
世界的に評価の高い「フーガ弦楽四重奏団」を結成して25周年を迎えようとしていた4人。チェリストのピーターがパーキンソン病のため引退したいと切り出したことから、完璧だった4人のハーモニーに不協和音が響くようになる。
ベートーヴェンが亡くなる半年前に完成させた「弦楽四重奏曲第14番」をモチーフに、長年の友情と信頼関係がもろくも崩れていく様子を描いたヒューマンドラマ。
嫉妬、ライバル心、それぞれのメンバーが長年抑えてきた感情の噴出は果たしてどのような結末を迎えるのか。劇中の実際の演奏を担当しているのが、世界的に有名なブレンターノ弦楽四重奏団であることにも注目です。
実在する女性指揮者の波乱万丈な人生「レディ・マエストロ」
あらすじ
舞台は第一次大戦後のアメリカ。ニューヨークで指揮者を夢見るオランダ系移民のアントニア・ブリコはとある事件をきっかけに音楽学校を退学することになる。お金もなくコネもないが、音楽への情熱は人一倍。さまざまな困難に見舞われるも、ドイツの巨匠指揮者であるカール・ムックと巡り合い、さらに指揮に没頭していくが…
女性指揮者のパイオニアであるアントニア・ブリコの半生を描いた作品。「女性は指揮者になれない」と言われる時代に生まれるも、懸命に夢を追うブリコの姿は私たちに勇気と感動を与えます。
マーラー「交響曲第4番」、ストラビンスキー「火の鳥」など映画を彩る名曲も見どころの一つ。ついに女性指揮者としてステージに立つ彼女の姿を観た瞬間、心震わせずにはいられないでしょう。
有村架純主演のオーケストラ青春物語「リトル・マエストラ」
あらすじ
過疎化する日本海の港町で活動するアマオケが存亡の危機に。そこへ現れた救世主が、亡き指揮者の孫娘、女子高生の美咲(有村架純)でした。
天才少女指揮者の登場に町はおおいに盛り上がりますが、美咲にはある秘密があったのです。
石川県の小さな港町を舞台に、さまざまな問題を抱えながらもオーケストラのメンバーが音楽を通して共に成長していく物語。
今では日本映画に引っ張りだこの有村架純と今は亡き名優、蟹江啓三がトロンボーン奏者としていい味出しています。音楽が町と人を繋ぐ心温まる映画です。
かつての天才指揮者が人生のリベンジに挑む感動作「オーケストラ!」
あらすじ
政府のユダヤ人排斥による不遇を受けロシア・ボリショイ交響楽団を解雇された天才指揮者・アンドレイ。その後、同楽団の劇場清掃員として働く。かつての栄光から思えば屈辱的な身の上であったが、ここから彼の人生のリベンジが始まる。なんと彼は、昔の楽団仲間を集め、本物のボリショイ交響楽団を装ってコンサートに出演しようと企んだのだ。
昔の仲間を探す旅や、パスポート問題など、スリルの中にも笑いがあるフランス産コメディ映画。コミカルなだけではなく、人生をあきらめないことの大切さを教えてくれる感動作でもあります。
ラストに響かせるチャイコフスキーの「バイオリン協奏曲ニ長調 作品35」の演奏は圧巻です。
松坂桃李やmiwaなど豪華キャストがオーケストラに挑戦「マエストロ!」
あらすじ
不況で解散した名門オーケストラが再結成されると聞きつけ、ヴァイオリニスト香坂(松坂桃李)が練習場に足を運ぶと、そこは廃工場。率いるのは謎の中年指揮者(西田敏行)、集まったのは負け組楽団員やアマチュアフルート奏者の橘あまね(miwa)。果たして彼らはコンサートを成功させることができるのか。
西田敏行に指揮を指導したのは世界的指揮者・佐渡裕。そしてピアニスト・辻井伸行や、ベルリン・ドイツ交響楽団の演奏が映画をより一層輝かせます。
落ちこぼれやはみ出し者が集まる負け組オーケストラ団員の人生と成長を描いた感動作で、音楽の知識がない人も楽しめるおすすめ映画です。
老人ばかりのアマオケ!笑いあり涙ありの感動作「オケ老人!」
あらすじ
高校教師・小山千鶴(杏)が入団したのは、老人ばかりのアマチュア・オーケストラ「梅が岡交響楽団」、略して梅響。演奏レベルはそれはひどいものでした。千鶴は地元の名門「梅が岡フィルハーモニー」と間違えて入団してしまったのです。
バイオリン担当の千鶴は、体調を崩したコンマスの野々村(笹野高史)の代わりに指揮者をする羽目になり…
音楽を愛する老人たちとの交流を深め、次第に成長していく千鶴の様子が笑いと涙と共に描かれている作品。見どころは、やはりアマオケのメンバーでしょう。日本映画を引っ張ってきた名優揃い。左とん平、小松政夫といった実力派のコミカルな演技も楽しめます。何歳になっても音楽を続けたいと思わされる映画です。
久石譲初監督!音楽大学を舞台にした青春物語「Quartet(カルテット)」
あらすじ
有名なヴァイオリニストを父に持つ音大生・相葉明夫(袴田吉彦)は、大学卒業に必要な単位をもらうために不本意ながらカルテットを組む。しかし臨んだコンクールでは惨敗。それから3年後に再開した彼らは、各々が人生における問題を抱えながらもカルテットを再結成して再びコンクールを目指す。
「風の谷のナウシカ」「となりのトトロ」など映画音楽の作曲家として知られる久石譲の初監督作品。国立音楽大学で学んだ経験を持つ久石氏の体験が物語にリアリティを与えています。人気俳優・大森南朋(ビオラ)の若き日の姿も見どころの一つ。若さゆえの苦悩、そして音楽の喜びがじっくり描かれている知る人ぞ知る名作です。
まとめ
大人数でのアンサンブルが大切なオーケストラ。音楽への熱い情熱は人生にも重なるところがあり、洋画・邦画共に感動作ばかりです。
あなたの心に残る作品が見つかれば幸いです。
なお、音楽映画のおすすめ作品をまとめた下記の記事も要チェックです。