第2弾:オペラ界での推しメン候補を声種別にあげてみました。筆者の個人的な評価です。
一定の評価がある方と、50歳以上の方は除外し、来日したことがあるか来日予定(または可能性がある)の方を選んでいますが、一部例外はあります。
ソプラノ
ジモーネ・ケルメス Simone Kermes(ドイツ)
ロック度:5 プレゼンス:4 歌唱力:4
バロックのニナ・ハーゲンとの異名をとり、パフォーマンスとルックスはパンキッシュ。
しかしながら、声の音色は嫋嫋としてはかなげ。バロック、古典派が主なレパートリー。
アドリアーナ・クチェロヴァ Adriana Kučerová (スロバキア)
お嬢度:5 プレゼンス:3 歌唱力:3.5
声とルックスが可憐でお姫様っぽい。モデルばりのスタイルについ目がいってしまうが、演技力表現力についてもポテンシャルが高い。
バーバラ・ハンニガン Barbara Hannigan(カナダ)
コンテンポラリー度:5 プレゼンス:5 歌唱力:5
根っからのパフォーマーで、ここまでやるか(できるのか)と、オペラ歌手のハードルを上げてる人。エロい。
メゾソプラノ
タラ・エロートTara Erraught (アイルランド)
期待度:5 プレゼンス:3 歌唱力:3.5
愛称タラちゃん。期待のメゾとして着々とズボン役等こなしていたところ、2014年に突如「歌手は容姿か歌唱力か」の論議の主役に躍り出た。のびやかで愛くるしい声と歌唱力をちょっと丸っこいからといって貶めてはならない。
エカテリーナ・セメンチュク Ekaterina Semenchuk (ベラルーシ)
お姉さん度:5 プレゼンス:3.5 歌唱力:4
マリインスキー劇場の隠し強力メゾ。ここ数年で欧米の大劇場の舞台でも主要な役で登場するようになった。
落ち着いた丁寧な歌唱とひかえめな佇まいに安心感をおぼえる。ロシア歌曲が絶品。
<p class=”post-youtube”>https://youtu.be/bSs2GJKDriU
エリーザベト・クールマン Elisabeth Kulman(オーストリア)
クール度:5 プレゼンス:3 歌唱力:5
知的で優雅。現在、活動は演奏会形式のオペラとコンサートに限っているため、演技を見ることはできないが、歌唱における表現力は素晴らしい。
曲の意味、音の美しさを確実に聴衆に手渡してくれる。
カウンターテノール
テリー・ウェイ Terry Wey (スイス)
柔和度:5 プレゼンス:3.5 歌唱力:4
ウィーン少年合唱団出身のため、芸歴と見た目はベテラン風だが、まだ31歳。無理のない聴きやすい発声でふんわりとした余韻が残る。
オペラもミサ曲もぴったりの表現ができる芸達者。ヅラを装着すれば、かなり可愛らしい。
ヤクブ・ヨセフ・オルリンスキ Jakub Józef Orliński (ポーランド)
ジャニ度:5 プレゼンス:3.5 歌唱力:3
実はカウンターテナー界には眉目秀麗な若い歌手がざくざくいる。ここだけ某アイドル量産事務所がしきっているのかと誤解しそうだ。
こちらのオルリンスキ、特技がブレイクダンス。歌って踊れてルックスもいい。バロックオペラをエンターテインメントにしてくれそうな期待大。
テノール
ベンジャミン・ブルンス Benjamin Bruns(ドイツ)
気になる度:5 プレゼンス:4 歌唱力:4.5
バロックオペラからワーグナー、ベルカントオペラもミサ曲も…全部それなりに器用に歌いこなしてしまう芸達者。
安定してよく伸びる声が気持ちいい。気がつくとどこにでも登場していて、気になってしかたない。
ヴィットリオ・グリゴーロ Vittorio Grigolo(イタリア)
マダムキラー度:5 プレゼンス:4.5 歌唱力:4.5
ある一定層のご婦人方にはヒット率100%、ステージパフォーマンスでファンの心はがっちり掴む。よく動き、声がでかい。明るく華のある声の、正統派イタリアンテノール。
ベルナール・リヒター Bernard Richter(スイス)
イケメン度:5 プレゼンス:3 歌唱力:3.5
ルックスがかなりいいのに、存在感が希薄。強烈な個性がないせいかもしれない。そこが役柄に同化できる利点でもある。歌唱は真摯な雰囲気。
バリトン
マルクス・アイヒェ Markus Eiche(スイス)
抒情度:5 プレゼンス:4 歌唱力:5
ふんわりと温かみのある声、叙情的な表現を舞台上で遺憾無く発揮する。知的な役やドイツリートがぴったり。
ステファン・ドゥグー Stéphane Degout(フランス)
端麗度:5 プレゼンス:4 歌唱力:4
声の美しさと端整な歌唱スタイルは、フランスオペラやベルカントオペラでいちだんとひきたつ。
舞台姿も目を引く
アレクセイ・マルコフ Alexey Markov(ロシア)
堅実度:5 プレゼンス:3.5 歌唱力:4
当たり前だがロシアオペラのバリトン諸役が得意。《イオランタ》のロベルト、《エフゲニー・オネーギン》のオネーギンなどをさかんに歌っている。朗々とした歌声が魅力的。目立たないが着々とレパートリーや活躍の場を広げている。
バス
ドミトリー・ウリヤノフ Dmitry Ulyanov(ロシア)
オヤジ度:5 プレゼンス:4.5 歌唱力:4
押し出しがよすぎて、親父役以外がなかなかぴったりとはいかない。しかし声はイケメン、歌唱スタイルはスマート。
アレクサンドル・ツィムバリュク Alexander Tsymbalyuk(ウクライナ)
悲劇度:5 プレゼンス:3 歌唱力:4.5
深い声と堂々とした体躯、年齢以上の落ち着きと貫禄がある。もともとのお顔立ちのせいか、悲しみの表現が巧いのか悲劇的な役をやらせたら号泣もの。
ミカ・カレス Mika Kares(フィンランド)
おちゃめ度:5 プレゼンス:3.5 歌唱力:3.5
守備範囲は広いが、微妙にメジャーオペラには登場しないニッチ感がある。かなりの低音歌手なのだが、クリアで軽々とした歌い回しができ、何を歌ってもおちゃめな雰囲気がある。
番外
近々再来日予定、日本でも大人気のドイツオペラのチートキャラとして、クラウス・フロリアン・フォークト Klaus Florian Vogt(ドイツ)を挙げておく。
現在ローエングリンといったらこの人。まさに白鳥の騎士を具現化したようなお姿と声。ファンサービスでは神対応。