幼い頃に、森に捨てられていたピアノを遊び道具にして育った主人公・一ノ瀬 海が、類稀なるピアノの才能を開花させていく成長劇を描いたアニメ『ピアノの森』。
恩師や同志との出会いを経て、海がショパン・コンクールで優勝を掴む軌跡をドラマティックに描いており、大きな感動を呼びました。
漫画が原作である『ピアノの森』をアニメ化するにあたって注目されたのが、作中ふんだんにある演奏シーン。
モーションキャプチャーを駆使したリアルな運指など、画期的なアニメーションで話題を集めましたね。
そして、最も注目を集めたのが個性溢れるキャラクター達のピアノ演奏です!
主要キャラクター別に担当ピアニストが割り当てられており、製作側の音楽に対する深いこだわりを感じさせました。
この記事では、『ピアノの森』の主要キャラクター別担当ピアニストを紹介します!

阿字野 壮介を担当したピアニストは..

担当ピアニスト:反田 恭平

主人公、海の恩師であり現役時代は天才ピアニストとしてその名を轟かせた阿字野 壮介のピアノを担当するのが反田 恭平

1994年生まれの若手であるにも関わらず、情熱的且つ貫禄の演奏で阿字野先生のピアノを見事に表現。

元々はW杯出場を夢見るサッカー少年で、本格的なピアノレッスンを開始したのは11歳からという異端児。

桐朋女子高等学校音楽科在学中に、日本音楽コンクールで第1位入賞及び聴衆賞を受賞。2014年にモスクワ音楽院に首席で入学し、2015年にはチッタ・ディ・カントゥ国際ピアノ協奏曲コンクールの古典派部門で優勝を果たします。

また、同年末にはロシア国際音楽祭に参加し、マリインスキー劇場デビューを飾りました。

現在はショパン音楽大学で学びながらも、国内外で精力的に演奏活動を行なっており、話題を集めています。

2016年にサントリーホールで行われたデビューリサイタルは、なんと全席完売。

2017年の東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団との全国ツアーや自身のリサイタル全国ツアーも完売となり、「今、最もチケットが取れないピアニスト」と称される程勢いのあるピアニストです。

Kyohei Sorita OFFICIAL SITE

 

雨宮 修平を担当したピアニストは..

担当ピアニスト:髙木 竜馬

海の友人であり、父親もピアニストで幼い頃から英才教育を受けていた秀才、雨宮 修平のピアノを担当するのが髙木 竜馬

自身もピアニストの母親を持ち、音楽が溢れる家庭で幼少の頃からピアノの道を志していたそう。

アニメでの修平は、ピアノ以外には脇目も振らず生きてきた故の頑なさや、神経質な面に焦点を当てられて描かれていますが、髙木さんはサッカーでゴールキーパーをやりながらレッスンに通い、普通高校で音楽と関わっていない友人達と交流を深めることで、見聞を広めながら大らかにピアノに取り組まれていたようです。

1992年生まれで2歳からピアノを始め、7歳から故エレーナ・アシュケナージに師事し、16歳から故中村紘子、ミヒャエル・クリスト各氏に師事し、錚々たる名ピアニストのもと、才能を開花させていきます。

その後、ウィーン国立音楽大学のコンサートピアノ科に首席合格を果たし、現在は同大大学院課程に在籍しています。

また、浜松国際ピアノアカデミーコンクールやチャイコフスキー国際コンクール、グリーグ国際ピアノコンクールなど数々の国際コンクールで優勝を果たしている実力派です。

修平のピアノは、「透明でキラキラした音のカケラ」と海に表現されていますが、その表現通りの繊細で滑らかな演奏を作中披露してくれました。

髙木 竜馬 WEB SITE

 

パン・ウェイを担当したピアニストは..

担当ピアニスト:牛牛

作中でショパン・コンクールの最有力優勝候補と言われている中国人ピアニスト、パン・ウェイのピアノを担当するのが同じく中国出身の牛牛(ニュウニュウ)

1997年に音楽一家のもとに生まれ、なんと6歳でリサイタルデビューを果たします。

その後も天才少年たる大躍進を見せ、8歳でフランスデビュー、9歳でアメリカとドイツでデビューを果たした年に英国王室から招待を受け、チャールズ皇太子臨席のコンサートで演奏を披露し皇太子から称賛を受けました。

10歳でEMIクラシックス(現ワーナークラシックス)と最年少で専属契約を結び、12歳で日本デビューを果たします。

デビューリサイタルを開催したサントリーホールとザ・シンフォニーホールでは、ホールのリサイタル最年少記録を樹立しました。

2018年にジュリアード音楽院を卒業し、今後の活躍が更に楽しみな若手ピアニストです。

パン・ウェイのピアノは、激情や悲愴感をぶつけたような音色で怖くも美しいと評されていますが、牛牛さんの硬質ながらも美しい、ダイナミックな演奏がぴったりのキャスティングでした。

TVアニメ『ピアノの森』メインピアニスト連続インタビューvol.3~ニュウニュウ

 

レフ・シマノフスキを担当したピアニストは..

担当ピアニスト:シモン・ネーリング

偉大なピアニストを祖父に持つ、ポーランドの新星レフ・シマノフスキのピアノを担当するのが同じくポーランド出身のシモン・ネーリング

1995年生まれで5歳からピアノを始め、F.ショパン中等音楽学校で11年間学び、2013年からビドゴシュチュ音楽院で学んだ後、現在はイェール大学でボリス・ベルマン教授のもと、研鑽に励んでいます。

数々の国際コンクールで入賞経験があり、2015年には『ピアノの森』の大舞台となったショパン・コンクールに出場しファイナリスト入選、聴衆賞を受賞しました。

2017年にはルービンシュタイン・コンクールで優勝を果たし、ベスト・ショパン・パフォーマンス賞も受賞。

レフ同様次世代のポーランド人ピアニストとして将来を嘱望されています。

作中のショパン・コンクールで、これぞポーランド人のショパンだとレフのピアノが称賛されるシーンがありますが、その台詞通りのノーブル且つ繊細な音色で演奏シーンを彩ってくれました。

TVアニメ『ピアノの森』メインピアニスト連続インタビューvol.4~シモン・ネーリング

 

ソフィ・オルメッソンを担当したピアニストは..

担当ピアニスト:ジュリエット・ジュルノー

ピアニストでありながらもモデルもこなす美貌のフランス人ピアニスト、ソフィ・オルメッソンのピアノを担当するのが、次世代の美人ピアニストとして注目を集めているジュリエット・ジュルノー

1996年にフランスで生まれ、7歳からピアノを始め11歳でピアニストになることを決意。

2016年にはパリ国立高等音楽・舞踊学校の伴奏家クラスを首席で卒業しています。

また、既にパリ・ソルボンヌ大学で音楽学の学位も所得しており、まさに才色兼備なピアニスト。

10代からオーケストラとの共演を数々こなしている他、コレペティートルとしても活躍しており、多岐に渡り才覚を発揮しています。

作中のソフィは、ただ美しいだけでなく演奏中にアクシデントがあっても動じない芯の強さや、しなやかで強いピアノが素敵に描かれていますが、ソフィと共通する魅力を持ったピアニストですね。

TVアニメ『ピアノの森』メインピアニスト連続インタビューvol.5~ジュリエット・ジュルノー

 

主人公の一ノ瀬 海を担当したピアニストは…?

実は、海の担当ピアニストだけ明かされておらず、謎に包まれたままなのです。

海の演奏は、あくまでも“一ノ瀬海”の演奏ということらしく『ピアノの森』のCDでも、アーティスト名は一ノ瀬 海で貫かれています。

神秘的で夢がある反面、クラシック音楽ファンとしては知りたいところです。ただ、噂によるとクラシック界のホープ「反田恭平」さんという説が濃厚なのです。

まとめ

『ピアノの森』の個性溢れるキャラクターの魅力を、更に引き出してくれた若き担当ピアニスト達。

キャラクターの持ち味や心情の変化を踏まえて、作中で演奏を披露してくれています。

彼らの感動的な演奏があったことで、作品のクオリティが一層高まったと言えるでしょう。

また、どの担当ピアニストも『ピアノの森』のキャラクターに引けを取らない魅力に溢れており、それぞれの今後の活躍に期待が高まります!

コロムビアミュージックエンタテインメント