東京の吹奏楽コンクールが激戦区なのをご存知ですか?プロにも引けを取らない高い技術をもつ強豪校がしのぎを削っているのです。マーチングやアンサンブルでも全国大会に出場し、金賞を受賞するなど、演奏とパフォーマンスの両方を兼ねそろえた実力派ばかり。そこで本記事では、「6強」と呼ばれる東京の吹奏楽強豪校を一挙紹介。吹奏楽に関わる全ての人には必見の情報です。

案内人

  • 川島光将指揮者・作曲家・編曲家 元・中学高等学校音楽教員、吹奏楽顧問 吹奏楽指導者協会・認定指導員 音楽表現学会会員 K MUSIC GROUP代表 現在はオーケストラ、吹奏楽、合唱、声楽など音楽全般の指導にあたる。

    詳しくはこちら

東京の吹奏楽強豪高校を一挙紹介!

東京の吹奏楽コンクール支部大会は超激戦区と言われています。
「6強」とされており、毎年どの学校が全国大会に出場できるか分からない状態です。

ここではかつて「6強」といわれていた下記強豪校に加え、最近メキメキと実力をつけ都立杉並に変わり「新・6強」となった岩倉高等学校吹奏楽部を紹介していきます。

八王子高等学校 吹奏楽部
東海大学付属高輪台高等学校 吹奏楽部
東海大学菅生高等学校 吹奏楽部
東京都立片倉高等学校 吹奏楽部
駒澤大学高等学校 吹奏楽部
東京都立杉並高等学校 吹奏楽部

なぜ東京にこれだけ素晴らしい学校が集まっているのでしょうか。
ランキングをつけようにも、どの学校も上手いので決めようがないです。
今年の吹奏楽コンクールも東京は全く予想できません!

八王子高等学校吹奏楽部

八王子学園八王子高等学校吹奏楽部 第43回定期演奏会

実績

全国大会6回出場。
初出場は2002年で、自由曲「交響詩《ローマの祭り》/レスピーギ」で話題になりました。
全国大会での金賞はまだありませんが、その音楽性豊かな演奏にファンも多いです。
ここ最近は2015年、2017、2018年と全国大会に出場しています。
2019年は惜しくもいけなかったので、今年度こそはと期待されます。

特徴

「歌って・踊れて・演奏できる」バンドをモットーに活動している学校です。
主催するコンクール3大会(吹奏楽,マーチング,アンサンブル)において、東京代表として全国大会出場を果たしている強豪校です。

音楽の基本である「歌」を大事にしており、練習から「歌う」ことを大切にしています。
また、歌だけでなく、身体で音楽を表現することも練習しているため、それがマーチング演奏に表れているのでしょう。
2020年度の全日本マーチングコンテスト全国大会でも見事金賞を獲得しています。

演奏面、パフォーマンス面の両方を兼ねそろえた実力派です。

東海大学付属高輪台高等学校吹奏楽部

シンフォニエッタ第4番「憶いの刻(おもいのとき)」/福島弘和

実績

全国大会14回出場。初出場は2002年でした。
全国大会出場のうち金賞10回という快挙を成し遂げています。
2010年からは安定して毎年全国大会出場という超強豪校です。
金賞も3年連続とり続けています。

特徴

「自分に自信・友に信頼・人に感謝」を部訓にしています。

吹奏楽コンクールだけでなく、マーチングにも力を入れており、全日本マーチングコンテスト全国大会にも何度も出場し金賞も獲得。
また、2020年度の全日本アンサンブルコンテストでも全国大会に出場しています。

キラキラとしたサウンドが特徴で、ブルックナーやチャイコフスキーなどのオーケストラ曲を吹奏楽編曲した作品にも積極的に取り組んでいます。
吹奏楽コンクールでは、毎年その演奏技術の高さが話題になるほど、安定力抜群の名門校です。

東海大学菅生高等学校吹奏楽部

眠るヴィシュヌの木/樽屋雅徳

実績

全国大会7回出場。
初出場はなんと1996年!ちなみにその時の課題曲は今でも人気の高い「はるか、大地へ/上岡洋一」です。
2016、2018、2019年と出場し、最近は2年連続金賞と安定した素晴らしい成績を記録しています。

特徴

吹奏楽コンクールだけでなく、アンサンブルコンテストでも2015年より毎年全国大会に出場しており、そのうち4回は金賞という快挙を成し遂げています。
個々の演奏レベルが高いということが証明されていますね。

さらに演奏だけでなく、全日本高等学校選抜吹奏楽大会などでも素敵なパフォーマンスを見せてくれる、エンターテイメント性も抜群の学校です。

そんな「SUGAO MIX」と呼ばれる菅生高校の演奏は、地元以外のファンも多数います。

東京都立片倉高等学校吹奏楽部

吹奏楽のための風景詩「陽が昇るとき」より/高 昌帥

実績

全国大会15回出場。初出場は1998年です。
2000年からずっと全国大会に出場していたが、2018年に落ちるという大波乱がありました!惜しくも支部大会は金賞でした。
そしてその翌年は全国大会出場し金賞を獲得しでリベンジ達成しています。
全国大会出場のうち金賞は6回です。

特徴

他には真似できない独自のサウンドを築き上げてきた、ファンも多い学校です。

長年片倉高校吹奏楽部を率いてきた馬場正英の指揮が吹奏楽ファンの間では、「馬場ダンス」として慕われています。
練習内容や質にこだわり、強豪校としては珍しいぐらい練習時間は少なめのようです。
まさに今の時代に合わせた練習スタイルといえるでしょう。

「芸能人格付けチェック!2021お正月スペシャル」にテレビ出演し、国内屈指のプロの吹奏楽団「ハーツ・ウインズ」との聴き分けが話題になりました。

”Let’s Groove!”(みんなでノリノリで楽しもうよ!)を合言葉に、楽しく真摯に音楽に向き合っている素晴らしい団体です。

駒澤大学高等学校吹奏楽部

宇宙の音楽

実績

全国大会11回。初出場は1981年という大変歴史のある学校です。
近年では2004年、2009年、2012年に全国大会に出場しています。
今までに金賞5回獲得し、その5回は連続記録となっています。

特徴

1966年に創部。紹介した他の吹奏楽部の中では一番歴史のある学校です。
「練磨は栄光への王道也」という言葉を部訓に、「全国大会金賞受賞」を目指して日々練習に取り組んでいます。

エネルギッシュな演奏が特徴で「駒澤サウンド」として、人々を魅了しています。

コンクール以外でも、定期演奏会、養護施設や小中学校などを中心とした訪問コンサートなど、地域に根付いた活動も積極的に行っています。

ただ演奏すればいいという学校ではなく「美しいもの・整ったものへの感性を磨く」「練習場所への感謝」という意味を込めて、月に1度の「全校舎清掃」、年に2回の「地域清掃」を行っているそうです。

歴史ある学校らしい素敵な活動ですね。

東京都立杉並高等学校吹奏楽部

アイ・リメンバー・クリフォード/B.ゴルソン

実績

2004年に全国大会出の記録もある、伝統の強豪校です。
1997年より東京支部大会に18回出場しており、金賞も10回獲得しています。

特徴

都立杉並の吹奏楽部はコンクール曲だけでなく、ポップスの演奏を得意とし、本格的なサウンドを吹奏楽で作り上げてきました。

毎年3月に浜松で行われている吹奏楽選抜大会では、演奏技術が高く素晴らしいパフォーマンスを何度も披露してくれました。

吹奏楽ファンの中には「これはもはやプロの領域だ!」とその楽器演奏の上手さに驚く方も大勢います。

最近は全国大会に出場していませんが、今後の活躍にも期待です!

岩倉高等学校吹奏楽部

マーチ「エイプリル・リーフ」(2019年度) 作曲:近藤悠介

実績

2016年より東京支部大会に出場しています。
その中ですでに金賞も獲得しており、今後東京支部の「新・6強」のひとつとなるでしょう。

特徴

現在、岩倉高等学校を率いているのが、あのカリスマ指導者大滝実先生です。
大滝先生といえば長く埼玉栄高等学校で吹奏楽部顧問を務めて、全国大会に21回出場した大ベテランですので、吹奏楽ファンなら知らない人はいないでしょう。

そんな先生の指導と生徒の努力で、またたく間に東京支部大会の常連校となりました。
すでに強豪校としての雰囲気も十分あります。

近い将来、全国大会の舞台で岩倉高等学校の演奏を聴けるでしょう。

まとめ

本当に東京支部は吹奏楽コンクール激戦区です。
「6強」「新・6強」と言われる学校以外にも、演奏技術の高い学校がたくさんあります。
簡単にランキング付けすることはできません。

そんな東京支部の学校が披露する定期演奏会はとてもおすすめです。
コンクールだけでなく、ぜひ演奏会にも足を運んでみてください

子どもたちの素敵なパフォーマンスに感動すること間違いなしでしょう。